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チリンのすず
1月のフランス、
その後月末から今週にかけて
中東から送られてきた映像やことば。
それに反応する映像やことば。

いろいろな人たちの放ついろいろな言葉に
ぞっとしたり、がっかりしたり、
共感したり、勇気づけられたり。

心の重い1週間だったけど、
実際の自分はといえば、大好きな人たちと
歌ったりお話したり飲んだり
打ち合わせしたり。楽しかったなぁ。
今年最初の梅が咲いてるのも見つけた。

でも、朝起きた瞬間から眠りにつくまで
何十年も戦争で荒れ果てた町の中で
たえず命の危険と隣り合わせで
生きている人たちもいる。

今回の悲しい事件は、そんな場所で起きた。

今のところ無事で
命の心配なく生きていられる私は
できるだけ、やさしく、
そして、うつむかずに生きていたいと思う。


今世界で起きていること、
まだうまく言葉が見つからないけど、
ふと、1冊の絵本を思い出しました。

WEBをお手伝いしている
映画『じんじん』のブログで、
「私がじんじんした絵本」という
連載企画をしています。
一昨年の秋、自分の順番のときに
この絵本の感想を書きました。
元の記事はこちら

そういえば、今週は(2月6日)
やなせたかしさんのお誕生日だった。
生きていらっしゃったら、96歳。

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10代の頃から「絵本好き」を自覚するようになりました。

きっかけは『詩とメルヘン』という雑誌です。
ご存知の方も多いと思います、先月亡くなられた
やなせたかしさんが編集していた投稿雑誌です。

この雑誌をきっかけに、やなせさんの作品や
東君平さん、黒井健さんなど、彼が応援する絵本作家、
そして誌面で特集される有名な詩人や絵本に
触れるようになり、授業の合間に
よく原宿のクレヨンハウスに通っていました。

「アンパンマンのマーチ」の歌詞でも話題になりましたが、
やなせさんの作品は、子供向けだから、絵本だから、という
驕りや手加減、媚びがありません。
子供向け、大人向け、などの区別がつかないものが多いのです。

やなせさんの絵本で、印象に残っているのはこちら。



チリンのすず
作・絵 やなせたかし
フレーベル館:刊

はじめて読んだ後の感想は、
感動、なんていう言葉からは、程遠いものでした。
一度でも読んだことのある方は、物語の結末が
心にトラウマのように残っているのではないでしょうか。

憎しみを動機として生きることがもたらす悲しみ。
暴力の連鎖の虚しさ。

自分の身近な子供たちには、
もっと、キャッキャと喜んでくれそうな楽しい本を…
なんて、ほんとは思ってしまいます。

でも、こういう絵本は、いま
子供にも大人にも、とても必要だと感じます。

どっちが悪いか、誰が間違っているか、を一方的に決めつけ
他人に伝えることに躍起になっている大人が多いように思います。

でも、悪いこと、間違っていること、が起きたとき、
大人が、子供たちに伝えなくてはならないのは
「誰が」ではなく「何が」、なのではないでしょうか。

そして、その正解は、簡単に出るものではなく、
大人も子供も、ずっと、考え続けなければならないのでしょう。

重いテーマですが、絵本だからこそ真っすぐに、
やなせさんのそんなメッセージが伝わってくるように思います。



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