mirimiricutch.com

ミリミリカッチドットコム
<< March 2014 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>
 
PROFILE
ARCHIVES
RECENT COMMENT
MOBILE
qrcode
RECENT TRACKBACK
無料ブログ作成サービス JUGEM
 
大統領の執事の涙


大統領の執事の涙』。
お世話になってる方におすすめされて、
今年1本めの映画となりました。

(あ、正確には1本めは今年も『じんじん』、
そして『レオニー』の海外配給版です)

上の写真は、その方が特別試写で観られたときに
配られたパンフをいただいたもので、
劇場用のパンフとはちょっと違います。

この映画に限っては、
パンフを熟読してから行ってよかったです。
アメリカの近代史、公民権運動のことなんて、
ぜんぜん、ちゃんと頭に入ってなかった。

映画を彩るいろいろな選曲が
ゴスペル習ってる身には、ツボすぎました。
「We Shall Overcome」なんて、
あーほんとにこういうときに歌ってたんだなー、なんて。


私はロビン・ウィリアムズが好きで
それも観に行った理由のひとつでしたが、
出演時間は短いけど存在感のある大統領役でした。

そのほかに、アメリカ国内でこの映画の
趣旨に賛同したすごい人たちが
じゃんじゃん出てる、というのがわかりました。
マライア・キャリーもすごい役で出てたなぁ。
レニー・クラヴィッツも、
ピエール瀧ばりに俳優っぽかった。
ベテランの方も、いろいろ。

アメリカって、つい数十年前まで
こんな人種差別が国の中にあって
そして、さまざまな人たちが戦うことで
今の自由や平等を手にしてきたんだなと
あらためて思いました。

アメリカはこういう映画を
国内で作って、
そして堂々と上映できる国なんだなぁ。
プロデューサーとして名を連ねている方が
40人以上いるそうですよ。

それに比べて日本は…、なんて、
まぁ、アメリカも日本も他の国も、
それぞれ今も問題を抱えているでしょうけれど、
国をつくるベースに流れているものが
自分たちで勝ち取ったものか、
与えられたものか。その差は大きいなと思いました。

いろいろ、考えさせられました。
いい映画でした!


0
    「ガレキとラジオ」に思うこと
    映画『ガレキとラジオ』が上映中止になるというニュース。

    去年、この映画を観ていた。

    東日本大震災で甚大な被害を受けた南三陸町。
    期間限定で開局された、全員素人が運営する
    コミュニティラジオ局が地域に起こす「奇跡」。

    大感動できる作品のようなコピーだけれど、
    この映画はほんとうに「ささやか」なドキュメンタリーだ。

    映画の中で、地域に実際に起きた「奇跡」は
    どれほど「ささやか」なものだったかは、
    (だからこそ、あたたかく素敵なものなんだけど)
    観た人には、伝わったと思う。

    感動というより「これが現実なんだ…」 というのが
    観終わった直後の、正直な感想だった。

    映画の中に、ラジオはあまり出てこない。
    ラジオ番組やDJの言葉、流れる曲が奇跡を仕掛けた、
    というようなエピソードが、実は、ほとんど起きていない。

    ラジオに関わった実在の登場人物たちは、
    時間とお金と経験のないなか、
    そして家族や家を失った喪失感のなかで、
    気持ちや人間関係のもろもろを、
    やっとの思いで必死にやりくりしている。
    滑稽で痛々しくもあり、だから応援したくなる。

    そして、今回問題になった、
    ラジオのリスナーを演じさせられた、という女性。

    後出しでこういう感想を言うことになったのは
    自分でも、ヤなんだけど、

    この人はラジオで、ほんとのほんとには
    絶対、なぐさめられてないな、というのは、
    映像に詳しくない私でも、
    あっけないほど、画面から見てとれた。

    この人が震災で負った悲しみは、
    簡単に癒されるようなものではないことは、
    その場にいた撮影スタッフも、察したんだろう。
    それでも、寄り添って、
    何とか力づけてあげたかったのかもしれない。
    それが結果的に「演出」となったのなら、とても残念なことだ。

    この映画が劇場上映されていた昨年は、
    あの「あまちゃん」が放送されていた。
    幸せすぎるフィクションだけど、鉄道や海女さんは実在する。

    一昨年から携わらせていただいている映画『じんじん』も、
    震災とは関係ないけれど、実在の町をもとにしたフィクション、
    というところが、「あまちゃん」と似ている。
    いま剣淵町に行くと、大げさじゃなく、
    映画の中に入り込んだ気持ちになる。
    実際、町の施設を訪れる人や売り上げは前年の2割増で、
    今年はもっと増えると予想されているそうだ。

    奇跡が日常の延長からしか起こらないのだとすれば、
    この2つの町は、震災が起きるずっと前から続けていた取り組みが、
    たまたま、この時期に奇跡を起こしたということだ。

    題材は似ているのにぜんぜん違う展開になった作品といえば
    NHKのドラマ『ラジオ』。
    実在のラジオ局、女川さいがいエフエムで起きた
    出来事をドラマ化したもの。
    このラジオ局は、今も町の若者達によって続けられていて、
    それが、このドラマを貫いている、希望の光のようなもの、の
    土台になっていると思う。

    いま『ガレキとラジオ』の「真実」が表に出てきたのは、
    「いまが苦しい」という、現地からのメッセージではないだろうか。

    この映画の舞台となった「FMみなさん」をはじめとした、
    多くの災害ラジオ局は、もう存在していない。
    復興して役目を終えたからではなく、続けられないからだ。

    【参考記事はこちら】

    カメラやマイク、ボランティアの人たちが去った後も、
    日常は続いていく。

    まだまだ、立ち上がれなかったり、
    逆に震災直後よりも、辛くなっている人たちがいるだろう。

    感動、笑顔、きずな、元気、といったものが、
    自分たちの近くに、一瞬は来てくれたけど、
    いまは結局、何も変わっていない、と、
    もっと深く絶望しているのかもしれない。

    今回の騒動で、私達が受け止めなくてはいけないのは、
    そんな人たちの声なのだと思う。

    今回の映画、
    謝罪したりさせたり、中止で終わらせるんじゃなくて、
    大手の広告代理店が絡んでいるのなら、
    たとえばずっと、いや、ずっとは無理でも
    今からせめて3年間、コミュニティラジオ局の
    資金を出すとか、そういうわけにはいかないんだろうか…。

    もうすぐ3年。
    私自身もこの3年の間に、予想もしていなかった出来事が続いた。
    被災地の方々が味わった苦労や気持ちとは
    きっと、比べものにならないけど。

    何が起きても「日常」は、これからも続いていく。
    カメラが回ってなくても、立派なナレーションがついてなくても。

    誰かが、続けたくても続けられなかった「日常」を、
    自分が続けられていることが、ささやかな奇跡なのだとしたら、
    毎日を、できるだけ、だいじに生きていたい。
    いつか、どこかの誰かに何かを起こせるかもしれないから。



    0
      外交官の家のひなまつり
      横浜の石川町駅を降りて、坂道。
      勾配の急さ加減が、いかにも横浜っぽい。

      坂をのぼりきったらあらわれるのが、
      洋館、というコトバがぴったりの建物群。

      外交官の家といって、
      明治時代の日本人の外交官のお家を
      渋谷区南平台から移築して来たものだそうです。

      アール・ヌーヴォー調の室内に、
      おひな様が飾ってある。
      アメリカでおひな様が飾られていたら
      現代もこんなかんじかもしれない。



      男子びなといって、こんなおひなさまを
      飾る習慣のあった地域もあるんだって。

      彼女募集中ってかんじですかね…(違う)



      こちらの空間には、すぐにでも
      ひな祭りパーティを始められそうな
      テーブルセッティングが。



      海外の方をおもてなしするとき
      こういうお席だと、
      いちばん喜ばれそう。



      私たちが訪れたのは
      曇天の夕方で、
      室内も夕闇の中だったけれど、
      漆の朱色の食器のまわりは、
      はっと息をのむほど明るい。

      奥の部屋から、箏の音色。
      今回このテーブルセッティングを
      担当したお友達が、夜にこの場所で
      開くコンサートのリハーサルをしていた。
      きれいな桃色の着物が、
      この空間に、ぴったりでした。

      まだまだ寒いけれど、
      贅沢な春のはじまりの1日になりました。










      0