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あなたという国 ニューヨーク・サン・ソウル

 

 

ドリアン助川さんが今年1月に上梓された本。

 

2月には発売イベントへ行き、目の前で
本にサインをしていただいたのに…

 

今月に入って、ようやく読みました(遅っ)

 


学生の頃から組んでいたロックバンド、
曲作りとボーカルを担当していた拓人。

メジャーデビューを果たしたものの
やがて売れなくなって解散。

 

失意の日々を過ごしていた拓人は
単身NYに渡り、新しいバンドを結成。

 

語学学校で出会う
年齢も国籍もさまざまなクラスメートたちは
日本人である拓人が戸惑うほど
戦争の歴史や人種問題について
自分の意見を言い、時に怒りをあらわす。

 

そんな仲間達との日々を送りながら

バンド活動を続けていく拓人。

 

やがて拓人はユナというコリアンの女性と
恋人同士になり、

ついに拓人のバンド「サン・ソウル」は
初ライブの日を迎えます。
その日は、2001年9月11日…。

 


もう15年前なんですね、
アメリカ同時多発テロ。

 

ちょうどその時実際に
NYに住んでいたというドリアンさんが
ご自身の体験をもとに書かれた物語です。

 

テロが起きたときの街や人の描写は
実際に目にした人しか書けないであろう
ものすごい迫力と恐ろしさで、

物語のラストのほとんどが
このテロの日のことなので
読み終えた後の気分は、重いです。

 

でもドリアンさんは
実際に現場を観て、
その場所でおびただしい数の人が
理不尽に人生を断たれたことを
体感したからこそ、
安易に救いのある終わり方には
しなかったのだろうなと思います。

 

そして、国同士の不毛な争い、
人間が人間の手によって
理不尽に人生を断たれる戦争が
昔から続いていることの悲しさに
気づかされます。

 

ラストはほんとうに重いのですが
そこに至るまでの日々の描写、
NYで音楽を続けようとする拓人の
頑張り、人との出会いや会話、
ちょこっと出てくる歌詞などは
最近よく見聞きさせていただく
ドリアンさんの歌の世界そのもので
いろいろな励ましをくれます。

 

自分のルーツに悩み

クラスメートとの口論の絶えないユナが
最後のほうで使う「国」という言葉の定義が
とても美しく、共感できます。

 

あぁもう何なんでしょう、

最近の国籍なんちゃら騒動は。

心から、心からうんざりですが…

 

私自身も、ほんとにちっぽけだけども
自分の理想の「国」を

大切にすること、

相手の「国」を大切にすること。

そこから始めるしかないと感じました。



拓人のバンドの曲として曲名だけが出て来る
「Love Song(恋歌)」。

この曲は物語のなかでは、歌詞もわからず

演奏されるシーンも

何ともいえない感じなのですが

(ネタバレになるので曖昧な書き方です)

 

これは逆に、今、

たまたまテロや災害に遭わずに
生きていられる私達が、
ひとりひとりの「Love Song」を紡いで
発信・拡散していってほしい、という
メッセージなのかなぁ、と、
私は勝手に、そう受け取ることにしました。

 

ちなみにドリアンさんは

自らのトークライブや朗読ライブなどで
ご自身の「Love Song」という歌を
歌ってくださっています♪

 

中井貴惠さんの「あん」の朗読劇や
「クロコダイルとイルカ」の絵本が
出版されたこともそうですが
ドリアンさんの作品はそうやって
ご自身による、たくさんの
メディアミックス(というのかな)が
あるんですよね。

 

この物語には、

今後どういう展開があるのか
楽しみに待っていたいと思います。

 

 


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