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あなたという国 ニューヨーク・サン・ソウル

 

 

ドリアン助川さんが今年1月に上梓された本。

 

2月には発売イベントへ行き、目の前で
本にサインをしていただいたのに…

 

今月に入って、ようやく読みました(遅っ)

 


学生の頃から組んでいたロックバンド、
曲作りとボーカルを担当していた拓人。

メジャーデビューを果たしたものの
やがて売れなくなって解散。

 

失意の日々を過ごしていた拓人は
単身NYに渡り、新しいバンドを結成。

 

語学学校で出会う
年齢も国籍もさまざまなクラスメートたちは
日本人である拓人が戸惑うほど
戦争の歴史や人種問題について
自分の意見を言い、時に怒りをあらわす。

 

そんな仲間達との日々を送りながら

バンド活動を続けていく拓人。

 

やがて拓人はユナというコリアンの女性と
恋人同士になり、

ついに拓人のバンド「サン・ソウル」は
初ライブの日を迎えます。
その日は、2001年9月11日…。

 


もう15年前なんですね、
アメリカ同時多発テロ。

 

ちょうどその時実際に
NYに住んでいたというドリアンさんが
ご自身の体験をもとに書かれた物語です。

 

テロが起きたときの街や人の描写は
実際に目にした人しか書けないであろう
ものすごい迫力と恐ろしさで、

物語のラストのほとんどが
このテロの日のことなので
読み終えた後の気分は、重いです。

 

でもドリアンさんは
実際に現場を観て、
その場所でおびただしい数の人が
理不尽に人生を断たれたことを
体感したからこそ、
安易に救いのある終わり方には
しなかったのだろうなと思います。

 

そして、国同士の不毛な争い、
人間が人間の手によって
理不尽に人生を断たれる戦争が
昔から続いていることの悲しさに
気づかされます。

 

ラストはほんとうに重いのですが
そこに至るまでの日々の描写、
NYで音楽を続けようとする拓人の
頑張り、人との出会いや会話、
ちょこっと出てくる歌詞などは
最近よく見聞きさせていただく
ドリアンさんの歌の世界そのもので
いろいろな励ましをくれます。

 

自分のルーツに悩み

クラスメートとの口論の絶えないユナが
最後のほうで使う「国」という言葉の定義が
とても美しく、共感できます。

 

あぁもう何なんでしょう、

最近の国籍なんちゃら騒動は。

心から、心からうんざりですが…

 

私自身も、ほんとにちっぽけだけども
自分の理想の「国」を

大切にすること、

相手の「国」を大切にすること。

そこから始めるしかないと感じました。



拓人のバンドの曲として曲名だけが出て来る
「Love Song(恋歌)」。

この曲は物語のなかでは、歌詞もわからず

演奏されるシーンも

何ともいえない感じなのですが

(ネタバレになるので曖昧な書き方です)

 

これは逆に、今、

たまたまテロや災害に遭わずに
生きていられる私達が、
ひとりひとりの「Love Song」を紡いで
発信・拡散していってほしい、という
メッセージなのかなぁ、と、
私は勝手に、そう受け取ることにしました。

 

ちなみにドリアンさんは

自らのトークライブや朗読ライブなどで
ご自身の「Love Song」という歌を
歌ってくださっています♪

 

中井貴惠さんの「あん」の朗読劇や
「クロコダイルとイルカ」の絵本が
出版されたこともそうですが
ドリアンさんの作品はそうやって
ご自身による、たくさんの
メディアミックス(というのかな)が
あるんですよね。

 

この物語には、

今後どういう展開があるのか
楽しみに待っていたいと思います。

 

 


0
    河合香織さんと青空朗読

     

     

    相模原の例の事件。

     

     

    犯人への同情は全くありませんが、

     

    以前3年間ほどは、その施設で勤務し 

    亡くなった方も含む、
    重い障がいを抱えた方々のお世話を
    していた、という報道を聞き、
    余計に気持ちが重くなっています。

     

    仕事と自分の折り合いとか、環境とか
    そっちに考えてしまうと、

    別の方向へいろいろ書きそうになるので
    ここではやめておきますが、

     

    思い出したというか、そういえば。
    こんな詩との出会いがあったのでした。

    去年のことです。


    河合香織さんという方がいます。

     

    直接お会いしたことはありませんが、
    ホームページによると
    脳性まひと言語障害があり、
    15歳の頃から
    文字盤やパソコンの特定の操作を使って
    詩をたくさん書いていらっしゃいます。

     

    香織さんの詩を朗読しませんか、と
    お誘いをいただき、
    青空朗読」で彼女のポエム
    読ませていただきました。

     

    興味はずっとあったものの
    朗読は、ほぼ初めての経験。


    花粉症ピークの季節に

    (言い訳…^^;)
    プロのアナウンサーの方に
    アドバイスをいただきながら
    頑張りました…

     

    香織さんのポエムは前向きで
    明るいものも多いですが、
    私はどちらかというと、
    香織さんご自身のことについて
    率直な思いを綴っている詩が
    心に残ったので
    そういう詩を中心に選んで
    読ませていただきました。

     

    なぜそういう詩を
    朗読したいと思ったかというと。

     

    うまく伝えられない、とか

    思ったとおりに手が動かないとか、

    電話がかかってくるのはうれしいけど

    何を話せばいいかわからない、とか


    日々を支えてくれている、

    家族や友人への想いとか。

     

    そういう気持ちは、
    私のふだんの日々の身近にあって、
    とても共感できたからです。

     

    もちろん、
    香織さんや彼女の周りの方々の
    日々の大変さは
    私の想像の及ばないものでしょう。

     

    でも、ふつうに生活できていても
    自分の身体や声や言葉が
    自分の思うとおりに
    表現できなくて、

    つらい、歯がゆい、くやしい、

    そんなことが私にもある。

     

    自分すら自分の思うとおりに

    なかなかならない、ということは

    家族や友人はもちろん、
    他人の気持ちや行動は、
    ぜんぜん思う通りになんかならない。

     

    そんな経験を重ねるたびに、
    たくさんの人に会うたびに、
    そのぶん自分が、少しずつでも
    しなやかに、やさしくなって、

    うまく伝えられるようになって、
    もっと相手を好きになれたり、
    ときには赦したりできればいい。

     

    香織さんの詩からは、彼女が

    毎日少しずつそういう努力を重ねて
    日々を感謝して過ごしていることが
    いろんな言葉になって現れている。

    すごいなぁと思います。

     

    でも、
    自分の理想や好みと違ったり、
    自分の思い通りにならない相手、と
    わかったとたん、
    見下したり、

    ラベルをつけて分けてしまう人がいる。

     

    さらには、存在自体を否定し、

    攻撃してしまう人がいる…


    そうしないと自分の存在を保てないのか。

    そういう人、増えているのだろうか…

     

     

    「青空朗読」の河合香織さんのページ

     

     

    こんな時だからこそ、

    香織さんの言葉、これからも
    大勢の人に届いてほしいと思います。

     

    プロや経験者の皆さんに混じって
    ひとり謎の外国人ふうHNの人が
    読んでますが、そこは目をつぶって…
    そうです、耳から楽しめるのが

    「青空朗読」なので ^^。

     

     

     

     


    0
      不思議なクニの憲法
       
      不思議なクニの憲法

      松井久子監督との出会いは約10年前、
      3作目となる映画制作の
      賛同者を募るWEB
      作らせていただいたのがきっかけで、

      ひとつの映画が作られ
      公開されるまでのほぼ全ての過程に
      真近で携わるという
      貴重な経験をさせていただきました。

      監督は、その後2作の
      ドキュメンタリー映画を撮られました。
      その2作目が、いま公開中の
      不思議なクニの憲法」です。

      今まですべての作品で
      「あなたはどう生きてきましたか?」という
      メッセージを送ってきた松井監督が、
      今作では
      「あなたはどう生きていきたいですか?」
      という問いかけを送ってきたと感じました。

      たまに、ここの自分のブログを書くと
      気持ちがスッキリするのですが、
      今回は、ぜんぜん気持ちがまとめられず
      なんだか、映画の感想というより
      自分のメモというか
      学生時代のときのレポート
      (しかも、ダメな出来のやつ)に
      なっちゃいそうですが、

      うんとお時間ある人だけ
      よかったら続きをどうぞ。↓
       

      0
        続きを読む >>
        「あん」2回目。

        映画『あん』。
        ロードショーは昨年春からでしたが、
        昨年末にはシネスイッチ銀座で
        アンコール上映、
        そして今月はじめからは
        私にとっては待望の
        “地元” 早稲田松竹で上映、ということで
        2回目の鑑賞に行ってきました。



        webをお手伝いさせていただいてる
        映画『じんじん』の中に出てくる絵本の
        原作者が、ドリアン助川さん。
        ドリアンさんのラジオを以前聴いてた私、
        『じんじん』を通して
        お会いできる機会をいただけたのは、
        とてもうれしいことでした。

        でも、ドリアンさんの話す言葉が
        ほんとうのほんとうに、
        自分の心に深く響くようになったのは
        ここ数年のことかもしれません。

        「人が本当に辛いのは、
        病気や怪我や人間関係よりも
        “自分がこの先、もうだめな人生しか
        歩めないんじゃないか”、と
        自分の気持ちが荒んでしまうとき」

        これは、テレビでだったかな。
        そんなようなことを話されたのが
        とても印象に残りました。

        ドリアンさんの
        書かれる文章や朗読劇に触れると
        泥だらけの沼から
        一粒の真珠を見つけて
        手渡してもらったような気持ちになります。

        『あん』は、
        ドリアンさんが書かれた小説の映画化。

        監督は河瀬直美さん。
        樹木希林さんや永瀬正敏さんの演技、
        桜を中心に、四季折々の自然の映像、
        どれも素晴らしいのはもちろんですが

        すごいなぁと思うのはこの映画、
        ドリアンさんが最初に
        書こうと思ってから20年かかって
        小説を書き上げたあと、
        ドリアンさん自身が
        河瀬監督と樹木希林さんに
        1冊ずつ本を贈り、
        映画化をお願いし、
        それが実現したということ。

        ラジオのDJをしていたとき
        若者からの手紙の多くに
        書かれていたのが
        「将来は役に立つ人間になりたい」。

        「役に立たないと価値がないのか?」と
        考えてしまったことが、
        この物語誕生のきっかけだそうです。

        自分は価値のない人間なのではないか。
        自分がやろうとしていることは
        何の意味もないんじゃないか。

        この先、今までよりも、もっと
        そんなことを思ってしまうことが
        あるのかもしれません。

        そんな時は、
        徳江さんの仕草のひとつひとつ、
        千太郎のいちばん最後の台詞、

        頭の中で思い出せたら、
        ゆっくり、また何度でも、
        立ち上がれる気がします。

        この物語が生まれる背景になった
        実在のハンセン病患者の皆さん、
        その人生の過酷さは、
        想像もつかないけど、
        きっと遠くからこの映画のことを
        誇らしく見守っているのでしょう。
        そのことを思うだけでも、
        この映画ができてよかったなと
        心から思えるのです。

        3月にはDVDが出るらしいので、
        ほんとにたくさんの人に
        観てほしいです。

        なお、観たあとは多分
        「どら焼き」が食べたくなるので
        観る前に買っておくことをおすすめです(^^


         

        0
          推定300枚

          ブログ、ちょっと間があいちゃいました。

          春夏は、楽しいこと、初めてのこと続きで、
          とっても盛り上がった日々だったけど、
          結局しゅーっと、5位…じゃなくて〜^^;
          元通りになっちゃったこともあれば、
          思わぬ変化だけが残ってしまったり。

          同時に、春先からずっと、
          「かゆみ」に悩まされてます。
          頭のてっぺんから、上半身全部。

          かゆいと、頭の中が
          「かゆい」ってことしか考えられないね。
          あぁ、人はなぜ、かゆいのでしょう。

          お〜お〜 か〜ゆい〜
          (巨人の亀井選手の応援の節で)
          と脳内でエンドレスで歌ってみたり、
          「インサイド・ヘッド」のポスター
          眺めながら、
          「いま私の頭には“カユミ”しかいない」
          と、ひとり思ったものです。

          久々の皮膚科通い、
          日焼け止めも化粧水も刺激になるし
          見た目もかなり悲しいかんじなので
          肌を塗らず、出さず、陽の光を避け。
          お酒も飲み過ぎるとかゆくなるので
          控えめに(止めはしなかった^^)。

          それでも少し、9月に入り、
          かゆい気分(?)を
          コントロールできるようになり、
          帰宅後にパソコンの前に座り続ける
          気力も出てきたので、
          久々にまた書いてみようと思います。

          最近、急に、
          熊谷幸子さんの曲を聴きたくなりました。

          「風と雲と私」がヒットしましたが、
          ほかの曲も、好きな曲ばかりです。
          久々、検索してみたら、2012年頃から
          KODAMA through というユニットで
          活動再開しているとのことです!



          熊谷さんのアルバムは、最初の5枚、
          実家に残ってました。おお。

          …私、いま
          全部で何枚CD持ってるんだろう?
          急に気になりました。

          私は、かなり物欲というか、
          コレクション欲がない。

          好きなアーティストのCDも揃ってないし
          (貸してくださるお友達の皆さま
          いつもありがとうございます…)

          ひととおり聴いたら、
          売ってしまうことも多々ある。
          今は、ダウンロードもできるし
          macに入れておいたほうがすぐ聴けるし
          懐かしいあの曲、ちょっと聴きたいな、
          くらいの気分は
          Youtubeであっさり解決すること多いし。

          以前の職場でいただいていたものは
          サンプル盤なので売れないけど、
          元職場に置いてある返却ボックスに
          わざわざ返しに行ったこともあるくらい。
          (今もそういうBOXあるのかな?)

          CDなんて、文庫本同様、
          場所は取るけどサイズが変わらないから
          いちばん保管しやすいんだよね。
          とっといたほうがいいとは
          わかっているんだけど…

          (最近のは限定盤、通常版とかあって
          サイズもバラバラなようですが…
          特に韓国の方々…^^好きだけど)

          でも手元に残ってるということは、
          自分なりに本当に好きだったり
          これを手放しても同じものは
          もうダウンロードでも手に入らないと
          思われるものだったり、
          「捨て曲がない」というか
          アルバム全体のアートディレクションや
          曲の並び順とかが全部好きなもの。

          数えてみた。ざっとだけど250枚。
          自分の家には50枚くらいありそうなので
          推定300枚です。少ない…

          でも、今捨てずにとってあるものたちは
          私のなかで独特の思い入れがあるもの、
          というのは間違いないです。
          そのうちここでちょこちょこと
          紹介していこうと思います。そのうち。

          わー、久しぶりに書いて
          だらだら長いしよくわからない
          話題になってしまいました。
          でも、アップしちゃおう、えい。



          0
            チリンのすず
            1月のフランス、
            その後月末から今週にかけて
            中東から送られてきた映像やことば。
            それに反応する映像やことば。

            いろいろな人たちの放ついろいろな言葉に
            ぞっとしたり、がっかりしたり、
            共感したり、勇気づけられたり。

            心の重い1週間だったけど、
            実際の自分はといえば、大好きな人たちと
            歌ったりお話したり飲んだり
            打ち合わせしたり。楽しかったなぁ。
            今年最初の梅が咲いてるのも見つけた。

            でも、朝起きた瞬間から眠りにつくまで
            何十年も戦争で荒れ果てた町の中で
            たえず命の危険と隣り合わせで
            生きている人たちもいる。

            今回の悲しい事件は、そんな場所で起きた。

            今のところ無事で
            命の心配なく生きていられる私は
            できるだけ、やさしく、
            そして、うつむかずに生きていたいと思う。


            今世界で起きていること、
            まだうまく言葉が見つからないけど、
            ふと、1冊の絵本を思い出しました。

            WEBをお手伝いしている
            映画『じんじん』のブログで、
            「私がじんじんした絵本」という
            連載企画をしています。
            一昨年の秋、自分の順番のときに
            この絵本の感想を書きました。
            元の記事はこちら

            そういえば、今週は(2月6日)
            やなせたかしさんのお誕生日だった。
            生きていらっしゃったら、96歳。

            -----------------------------------

            10代の頃から「絵本好き」を自覚するようになりました。

            きっかけは『詩とメルヘン』という雑誌です。
            ご存知の方も多いと思います、先月亡くなられた
            やなせたかしさんが編集していた投稿雑誌です。

            この雑誌をきっかけに、やなせさんの作品や
            東君平さん、黒井健さんなど、彼が応援する絵本作家、
            そして誌面で特集される有名な詩人や絵本に
            触れるようになり、授業の合間に
            よく原宿のクレヨンハウスに通っていました。

            「アンパンマンのマーチ」の歌詞でも話題になりましたが、
            やなせさんの作品は、子供向けだから、絵本だから、という
            驕りや手加減、媚びがありません。
            子供向け、大人向け、などの区別がつかないものが多いのです。

            やなせさんの絵本で、印象に残っているのはこちら。



            チリンのすず
            作・絵 やなせたかし
            フレーベル館:刊

            はじめて読んだ後の感想は、
            感動、なんていう言葉からは、程遠いものでした。
            一度でも読んだことのある方は、物語の結末が
            心にトラウマのように残っているのではないでしょうか。

            憎しみを動機として生きることがもたらす悲しみ。
            暴力の連鎖の虚しさ。

            自分の身近な子供たちには、
            もっと、キャッキャと喜んでくれそうな楽しい本を…
            なんて、ほんとは思ってしまいます。

            でも、こういう絵本は、いま
            子供にも大人にも、とても必要だと感じます。

            どっちが悪いか、誰が間違っているか、を一方的に決めつけ
            他人に伝えることに躍起になっている大人が多いように思います。

            でも、悪いこと、間違っていること、が起きたとき、
            大人が、子供たちに伝えなくてはならないのは
            「誰が」ではなく「何が」、なのではないでしょうか。

            そして、その正解は、簡単に出るものではなく、
            大人も子供も、ずっと、考え続けなければならないのでしょう。

            重いテーマですが、絵本だからこそ真っすぐに、
            やなせさんのそんなメッセージが伝わってくるように思います。



            0
              何を怖れる フェミニズムを生きた女たち
              ウーマンリブ。
              フェミニズム。

              そういう言葉に、
              時代錯誤というか、コワいというか、
              そんなイメージを持っていました。

              でも、
              「あなたは○○だから△△であるべきだ」
              「あの人は××だから●●に違いない」

              性別、出身、年代、身体的なこと。
              持って生まれた条件だけで
              人格や能力を決めつける人や空気の存在は
              決して、過去の話ではないと思います。



              何を怖れる フェミニズムを生きた女たち』は
              世間から与えられた常識や役割に
              「私はそう思わない、それはおかしい」と
              声をあげ、行動し、周りに呼びかけ、
              少しずつ、今の社会へ続く道を
              切り開いてくださった女性の先輩たちの
              インタビューで綴るドキュメンタリー。

              彼女たちの生きざまや言葉は、
              勇ましい、とか、正しい、というより
              ひとりひとり、とっても個性的。
              そして、生命力の強さ、
              生きることを肯定する力に
              溢れています。

              自分の気持ちに正直に生きるということは、
              時には回り道をしたり、孤独に陥ったり、
              ぶつからなくてもいい壁に
              体当たりしてしまうこと。

              でも、そうやって、怒ったり泣いたり、
              傷ついたりしながら生きてきた人ほど、
              ひとりひとり違う他人、
              弱い立場にいる人たちも尊重しながら
              やさしく、おおらかに生きていけるはず。

              迷いながらも自分で考えること、
              自分で選ぶことを放棄してしまうことこそ、
              今を生きる私たちが何より
              「怖れる」べきことなのではないか。

              映画に登場する女性たちの言葉を聞いて、
              そんなことを感じました。

              過去3作、ご自分の中に湧きおこった
              撮りたいテーマを貫くために、
              1作に何年もかけ、資金集めから
              プロデュース、監督までご自身で
              作ってこられた松井久子監督

              今回は、映画の中にも登場する
              田中喜美子さんから
              “私たちを記録してほしい”と依頼され、
              市民サポーターの支援金によって
              8カ月ほどで制作されました。

              映像全体に流れる
              “松井監督らしさ”は変わらず、
              観終えた後はとても清々しく、
              生きる勇気が湧いてきます。

              映画の端々を彩る
              アンサンブル・ノマド
              音楽もすばらしいんです。
              ラストで流れる「アヴェ・マリア」、
              松井監督のこれまでの作品の
              映画音楽の中で、
              個人的には、No.1です!



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                うまれる  ずっと、いっしょ。


                お友達が何人か制作に携わっている
                前作の「うまれる」から4年。

                この冬、
                続編「うまれる ずっと、いっしょ。」が
                公開されました。

                前作は、出産がテーマ。
                出産や死産、不妊などを扱った
                ドキュメンタリー。

                映画館の客席が明るくなった時
                困るなぁ…と思うくらい
                ぐしゃぐしゃに泣いてしまったっけ…

                今回も、ポスターがこうなので
                涙腺キケンかなと思っていたら、
                意外にも、終始笑顔で
                観ることができました。

                今作のテーマは「家族」。
                血のつながっていない家族、
                妻の死を受け止め、
                乗り越えていく家族、などを
                取材していました。

                1作目も良かったけど、
                こっちのほうが好きかなぁ。

                より自分や身近に、
                近いことも多いというのも理由だし、
                ドキュメンタリー映画として、
                前回よりもさらに、
                完成度が高いというか。
                (上からな書き方でスミマセン)

                リアルな家族の日々に
                カメラを向け続けることに対しての
                覚悟だったり、深い思いだったりが、
                前作よりも「どっしり」と
                しているように感じて、

                1作目公開後に実際にパパになった
                豪田監督自身の、お父さんとしての
                貫録や充実ぶり、
                ご自身の家族への愛情が、なぜだか
                画面からにじみ出てくるようでした。

                そして、なんといっても
                虎ちゃん家族が、ね!
                今回も奇跡の連続でした!

                今作の、桜が映ったところが
                いちばん、じーんとしたところです。

                なんか、最近、
                自分の年齢の変化や環境の変化、
                そして、なんとなーく、
                社会のえらい方々が放つ言葉とともに、
                家族とか、子どもとか、
                そういうコトバに対して、
                不安になったりすることがある。

                いちばん身近な存在だからこそ、
                いちばんモンダイだったりするのも
                家族。

                夫婦という最小限のつながりだって
                もともとは、血はつながっていない。

                自分には、しっかり実感できる
                親子のつながりがあることに
                感謝しているけれど、
                ひとりで暮らしているから
                それを実感できている部分もある。

                もし、自分の家族の存在を
                笑顔とともに実感できない
                状況になったり、
                生まれたときから実感しにくい
                状況な人にとっても、

                正しいかどうか、
                血のつながりがどうか、じゃなく、
                楽しいときも辛いときも
                ずっといっしょに居たいと思える存在、
                大事だよって伝えられる人がいること。

                自分の家族、誰かの家族、
                カタチや見栄えが違って当たり前。
                ルールづけるんじゃなく、
                お互いの心で守り合うもの。
                尊重しあいながら生きていければいいなと
                もっとそういう空気になればいいなと
                思っています。

                私は自分の “家族” に感謝しているし
                まだまだメンバー募集中です(笑)。

                映画にはもはや
                関係ない心のつぶやきだけど、
                そのまま書き残しておきます。


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                  バックコーラスの歌姫たち



                  バックコーラスの歌姫たち」観てきました。
                  観そびれたぁ、と思っていたので
                  助かりました、早稲田松竹。
                  いや、DVDでもいいんだけど、
                  やっぱり映画館で観たいもの。

                  音楽界のトップスターを影で支えてきたバックシンガーたち。
                  彼女達の名前が知られることはほとんどない。
                  なかにはトップシンガー達と変わらないほどの実力を持ち、
                  いつかはステージのメインに立つことを夢見るバックシンガーもいる。
                  これまでスターの影に隠れていた彼女達に
                  初めてスポットライトを当てた本作は、
                  時には傷つけられて涙を流しながらも、歌うことに喜びを見出し、
                  音楽を愛し続けた名もなき歌姫たちの人生を
                  ドラマティックに描き出した珠玉のドキュメンタリーだ。


                  公式サイトの解説を抜粋するとこんなかんじ。

                  すごく良かったです。

                  その距離をいつか超えたいと
                  願っている女性たちの映画ではあるけれど
                  バックコーラス立ち位置から見える
                  トップスターたちのライブというのは、
                  最高に楽しめる距離ですよね。きっと。
                  ライブ映像としても、とても楽しめる映画でした。

                  私も、完全に趣味で歌の習い事をしているけど、
                  一緒に歌うメンバーの中には、
                  プロのようになっていったり、
                  ソロでライブをするようになったり、
                  別の場所で活動するようになったり、
                  事情で辞めてしまい、でもまた復帰したり、とか
                  長く続けているといろいろなことがあります。

                  トップスターのバックシンガーとなると
                  スケールも歌の上手さもぜんぜん、ぜんぜん違うけど
                  彼女たちが味わうさまざまな思いは、

                  好きなことを仕事にしていることは幸せなのか
                  生活と、好きなことと、仕事の兼ね合い
                  今の仕事と、ほんとうに好きな仕事との距離

                  私たちが日頃働きながら感じている
                  そんな悩み、そのもの、だと思いました。
                  喜びも、痛みも、葛藤も、挫折も
                  ぐっと身近な生々しさがありました。

                  スティービー・ワンダーが
                  映画の中で言っていたこのひとことが
                  とても印象に残りました。

                  「楽しいからといって、自分の夢を捨ててはいけない。
                  楽で楽しいことから、一歩踏み出さないと」

                  でも、みんな、とにかく
                  音楽が好きで、歌が好きなんだよね。

                  ラスト、バックコーラスの皆さんで歌う
                  「Lean On Me」が心に沁みました。


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                    ピンザの島


                    ドリアン助川さんの『ピンザの島 を読みました。

                    人間の力よりも圧倒的に強い、手つかずの自然の中で、
                    ヤギたちが暮らしている小さな南の島。

                    そこへ、水道工事のアルバイトとして集まった
                    それぞれ事情がありそうな若者3人と
                    島の人たちの物語。

                    島にやってきたひとり、主人公の涼介は
                    父親が自殺し、自分にも密かに自殺願望がある。
                    やがて、涼介は島のある男性に、
                    チーズを作りたい、と切り出す。

                    今お手伝いしている映画『じんじん』の中に登場する
                    絵本『クロコダイルとイルカ』の原作を
                    書かれたということで、最近、ずいぶん久しぶりに、
                    ドリアンさんのコトバにいろいろ触れています。

                    でも、長編小説を読むのはこれが初めてでした。

                    というより、自分が小説を読むこと自体が、ひっさしぶり。

                    頑張れば中学生から読めそうな、シンプルで美しい文体。
                    生き生きした、というよりは、むせかえるような
                    生々しい自然の中で繰り広げられる
                    工事の作業だったり、島の中の探検、チーズ作り、
                    島の人々やアルバイト仲間の友情、
                    動物との触れ合いや、厳しすぎる別れを
                    じっくり、じっくり、たどっていきました。

                    「むきだしの生命の持つ力」を描きたかったという
                    ドリアンさん。

                    途中のいろいろな描写が
                    不思議に『クロコダイルとイルカ』に似てるような気がしました。

                    生きるのって、痛いね。(これは、本の中に出てくる台詞)

                    最後の最後まで、自然の力とか生命力とか、
                    そういったものが繰り出す怒濤のチカラに圧倒されながら、
                    読み終わりました…というより、生き抜いた気分です。

                    生きてるだけで、丸もうけ。(これは、さんまさん…)

                    物語のいちばんラストのあの景色を、いろんな人と一緒に見てみたい。



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